至仏山に咲く花々 その1 [尾瀬]
2015.7.12
高山植物の宝庫とも言われる至仏山のこの時期は数多くの花に出逢えます。
雪融けが早く暑い日が続いてタカネバラやムシトリスミレなど花が傷んでしまったのは残念です。
* 文中は 猪狩貴史 著 尾瀬植物手帳 からの抜粋です。
ホソバヒナウスユキソウ (=細葉雛薄雪草) キク科
ヨーロッパアルプスで知られるエーデルワイスに近縁の植物。
昭和12年に北村四郎がヒナウスユキソウの変種として発表した蛇紋岩変形植物。
綿毛に包まれて白い花びらのように見える葉が数枚出てその間に小さな花が集まって咲く。
ミネウスユキソウ (=峰薄雪草) キク科
近縁のホソバヒナウスユキソウとよく似るが花期はやや遅く夏の後半~初秋。
葉は長さ2~4cmでやや幅広く先端は尖っているなどの点で区別出来る。
葉の表面は緑色で綿毛は少なく全体にシャープな印象があるが裏面は綿毛を密生する。
オゼソウ (=尾瀬草) ユリ科
尾瀬の植物の中でもその貴重性はトップクラスにランクされる。
至仏山、谷川岳に生育するほかは北海道の天塩山地にのみ知られる日本固有の蛇紋岩残存植物。
昭和4年に原寛が至仏山で発見し翌年中井猛之進により新属新種として発表された。
クモイイカリソウ (=雲居錨草) メギ科
至仏山や谷川連邦の蛇紋岩地のほか岩手県にも産する。
葉の縁に刺状毛があり赤褐色の縁取があるタイプと刺状毛と縁取りのないタイプがある。
蛇紋岩変形植物。雲居は雲のように高いところの意味で碇は花の形を見立てたもの。
タカネナデシコ (=高嶺撫子) ナデシコ科
低地にあるカワラナデシコの高山変種。
高山の岩礁地生え茎や葉は粉白色。紅紫色の大きな花は細かくきれこみがはいり
タテヤマリンドウと同じように雄性期と雌性期がある。
葉は幅3~4cmで長さ5~8cmで先がとがる。
ハクサンコサクラ (=白山小桜) サクラソウ科
ユキワリソウに似るが草地に多い、花が大きい、葉のふちは表に曲がるなどの点で区別できる。
本種はDNA分類学の研究が進んでいて山体ごとに塩基配列が異なり目に見えない変化が
遺伝子レベルで進行しているという。
別名ナンキンコザクラ。
ミツバオウレン (=三葉黄蓮) キンポウゲ科
湿原、森林内、高山草原と尾瀬のあらゆるところに生育する植物。
白い花びらは咢の変化したものというのはキンポウゲ科のお約束。
ミツバノバイカオウレンに似るが花の茎が緑色で細く葉もやや薄い感じがする点で区別できる。
ミツバノバイカオウレン (=三葉梅花黄連) キンポウゲ科
ミツバオウレンが尾瀬全域にあるのに対し本種は至仏山にしかない。
梅の花に似るところから名づけられた。
ミツバオウレンとは花の茎が赤色で太く葉もやや厚い感じがする点で区別できる。
コシジオウレン(=越路黄連)の別名もある。
タカネシオガマ (=高嶺塩竃) ゴマノハグサ科
花の色が濃く至仏山で最もよく目につく花。
ヨツバシオガマに似るが花が密に咲き背丈が低い点で区別する。
葉は細かく切れ込む。
和名の塩竃は製塩のための竈が浜辺に風情を添えることから「浜で目につく」を
「葉まで目につく」にかけたもの。
ムラサキタカネアオヤギソウ (=紫高嶺青柳草)
本種は至仏山の標本が基準標本になっている。
基準標本とは世界共通の名前(ラテン語で記す)を決める際に標本を指定することになっており
その収蔵場所も明らかにされる。
根本にシュロの繊維に似た古い葉鞘が残るためタカネシュロウソウの別名がある。
ハクサンコザクラの見頃が過ぎてちょっと残念です、至仏山に咲く花々その2も楽しみです。
by pulsar (2015-07-20 08:43)
shinさん、こんにちは♪
「カメラを持って・・・続」も素晴らしい花のオンパレードですね。d(-。∂)good!!d(-。∂)good!!d(-。∂)good!!
至仏山、久しぶりに行きたくなってしまいました。
夏の尾瀬が呼んでいる~。(^^)/
by クロちゃん (2015-07-20 11:13)
>pulsarさん
登山道に残雪がありませんでしたから時期が遅かったです。
やはり第1週が正解でしたね。
>クロちゃん
至仏山から下山途中に出遭った仙台からの強者は見晴泊で
翌日燧ヶ岳を経由して帰ると言っていました。
クロちゃんもやってみたら!
by shin (2015-07-23 04:20)